■レーシック知識/レーシック後の視力維持は本人次第ブログ:2021/7/20
ワールドカップの日本代表を応援するため、
親父がはちまきを買ってきた。
親父はそのはちまきを締め、
お酒を片手にテレビの前を陣取っている。
「こういうのはな、団結が必要なんだ。気持ちで勝負だ。ここに味方がいるぞ!」
あきれる俺たち家族をそっちのけに
親父は大声で選手と一緒にボールを追っていた。
それを機に孫である、
俺の女の子の運動会にも
親父ははちまき姿で登場した。
周囲のくすくす笑う声もなんのその…
女の子も祖父の必要以上の応援に少し気恥ずかしげに、
もじもじしている様子。
熱い応援も功を奏すことはなく、
徒競走では、思いっきり転んでしまい
結果はびりから二番目だった。
そんな折、
親父のママである
俺の祖母が認知症の症状がひどくなり、
施設に入院することとなった。
九十歳に近い祖母は家族の顔はすっかり忘れ、
孫である俺のことはもちろん、
自分が産んだムスコのこともおぼろげになっていた。
祖母の入院する施設に親父と俺で会いに行った。
親父の顔を見ても、恭しくお辞儀をするだけの祖母。
親父は何と声をかけたらよいか迷っているようだった。
無言の時間がどれだけ続いただろう…
親父は自分の汚れたズボンのポケットから
例のはちまきを取り出した。
そして、そっと、祖母の真っ白な頭に巻いてやった。
「気持ちで勝負だよ、母ちゃん。
ここに味方がいるぞ。家族はいつでも母ちゃんの味方なんだよ!」
そう、声をかける親父の目には涙がにじんでいた。
俺は後ろで声を押し殺して泣いた。
祖母はやわらかく微笑んで、そのはちまきを触っていた。
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小平つかさ
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